予算質疑から 令和5年度横浜市予算議案と予算関連議案について、各会派を代表して11人の議員から「予算代表質疑」と「予算関連質疑」が行われました。その中から、24項目を抜粋して掲載します。 【自民党】10問 ●中期計画2022~2025と令和5年度予算案 ●デジタルハッカソンの取組 ●にぎわいスポーツ文化局への期待 ●子どもたちが住み続けたくなる横浜 ●人口流入に向けた都市計画等 ●若い世代を呼び込む都市づくり・地域づくり ●横浜の持続的な発展に向けたまちづくり ●京浜臨海部のまちづくり ●救急搬送体制の強化 ●障害児・者の地域生活支援 【立憲党】5問 ●脱炭素に対応したまちづくり ●小児医療費の無償化 ●新型コロナウイルス感染症対策 ●将来につなぐプラスチック対策 ●全員で食べる中学校給食 【公明党】4問 ●まちを守る力 ●妊娠から青年期までのトータルな子育て支援 ●幼児教育・保育 ●健康長寿の高齢社会 【共産党】3問 ●予算の考え方 ●ノース・ドックの機能強化と市内米軍基地の返還 ●不登校施策の充実 【無所ク】2問 ●上瀬谷開発と国際園芸博覧会(花博) ●中学校給食 環境 脱炭素に対応したまちづくり 立憲党 (問) 昨年4月、みなとみらい21地区が、国が公募する脱炭素先行地域に選定されました。先行的な取組を全国に広げ、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた道筋を示すとされています。ゼロカーボン横浜の達成のためにも、脱炭素先行地域の取組をどのように他のエリアに波及させるのか、うかがいます。 (答) 目標とする2030年度の電力由来のCO²実質排出ゼロに向けて、みなとみらい21地区での公民連携による取組を加速していきます。そして、同地区での取組状況や成果を内外に発信するとともに、得られた知見を活かし、業務系ビルが集積する都心部エリアを中心に、地域特性を踏まえ、まちづくりと連動させながら展開していきます。 政策 中期計画2022~2025と令和5年度予算案 自民党 (問) 子育て世代の転入促進などによる都市の活性化は重要ですが、中期計画に先行して策定された財政ビジョンに基づき、持続可能な市政運営を行うことも次世代の横浜市民にとって重要です。財政ビジョンや中期計画を踏まえた令和5年度予算案のポイントをうかがいます。 (答) 市民が「子育てしたいまち」を実感できるよう、小児医療費助成の拡充など、中期計画の基本戦略に係る予算の約5割を子育て世代への直接支援に充てるとともに、6年度以降を見据えた調査・検討・戦略の策定に係る予算も盛り込みました。また、財政ビジョンなどを踏まえ、歳出改革、計画的な市債活用や減債基金の臨時的活用の縮減を進めました。こうすることにより、5年度は中期計画の実質的な1年目として、施策の推進及び財政健全性の維持とのバランスのとれた予算としました。 政策 予算の考え方 共産党 (問) 令和5年度の予算案の特徴として、「中期計画の実質的スタート」、「次世代を育み、明日を開く横浜に向けた好循環を生み出す最初の一歩へ」とし、中期計画では基本戦略に、「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を掲げ、5つのテーマと38の政策を示し、特に子育て支援策の充実に力を入れていることについては大いに評価しています。市長の5年度予算案に対する基本方針についての考え方をうかがいます。 (答) 中期計画には、子育て支援につながる取組をしっかり盛り込み、5年度予算案は、中期計画の実現に向けた第一歩となる取組を意識して編成しました。 政策 ノース・ドックの機能強化と市内米軍基地の返還 共産党 (問) 今年1月12日、横浜港にあるノース・ドックに米軍小型揚陸艇部隊が新編され、280人の要員が常時配置されることが日米両政府により決められました。我が党としては、この基地機能強化について、16日に防衛省に計画の撤回を求め抗議をしています。市長は、市民生活の安心・安全を強く求める要望を20日に防衛大臣へ提出するなど、機敏に対応していて評価しています。防衛大臣へ要望した3項目について、国からの回答が来たのか、市として、今後政府にどのような対応を求めるのか、うかがいます。 (答) 早期に回答するよう継続的に求めていますが、まだ回答はいただいていません。引き続き、適時・適切な情報提供と、市民生活の安全・安心への万全の対策を講じることを強く国に求めていきます。 政策 デジタルハッカソンの取組 自民党 (問) 令和4年度の「横浜市避難ナビ」アプリの実証実験において積み重ねてきた行政視点の知見に、若者目線で進めてきた取組で得た気付きや視点を掛け合わせることで、より良いアプリへと育てていけるのではないでしょうか。ハッカソン(※)などで生まれた若者のアイデアを「横浜市避難ナビ」アプリに活用していくべきと考えますが、いかがですか。 (答) アプリの開発や改善にあたり、若者が持つ既存に捉われない自由で斬新なアイデアは、課題の見える化や解決に向けて、非常に有益であると考えます。幅広いアプリユーザーのご意見、ご要望を伺う中で、ハッカソンの取組等で若者からの発想も受け止め、より市民の手に取っていただけるアプリとなるよう取り組んでいきます。 用語解説 ハッカソン(文中の(※)で表示) エンジニアやデザイナーなどがチームを作り、与えられたテーマに対し、それぞれの技術やアイデアを持ち寄り、短期間に集中してサービスやシステム、アプリケーションなどを開発し、成果を競うイベントやプロジェクト。 スポーツ にぎわいスポーツ文化局への期待 自民党 (問) 優勝パレードは、マスメディアやSNSでも必ず話題になり、市民の一体感や一生の思い出にもなる「映えるイベント」です。横浜のトップチームが日本一となった際には、優勝パレードを行うべきと考えますが、いかがですか。パレードの賑わいが活気をもたらし、横浜を好きになる人が増えて、多くの人に移り住んでもらうという高い目標を掲げるようお願いします。 (答) 日本一となったチームを、市民と共に祝福することは、市民の一体感を醸成するとともに、街のにぎわいにも繋がると考えます。優勝パレードなど、祝福の舞台づくりに向け、チームを積極的に支援していきます。 防犯 まちを守る力 公明党 (問) 令和5年度予算案では、地域防犯カメラ設置補助事業を継続し、事業規模を年150台へ拡大するとしたことを高く評価しています。住みたいまち・選ばれるまちになるには、安全・安心は欠くことのできない要素であり、地域の防犯活動がそれを支えていることは間違いありません。地域の安全・安心を支える地域防犯対策事業に対する考えをうかがいます。 (答) 横浜市中期計画2022~2025の基本戦略である「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」の実現には、住みやすいコミュニティの基盤となる、安全で安心できる地域づくりが必要であると考えます。5年度予算では、地域防犯カメラの設置補助台数を大幅に増大させるなど、自治会町内会等が行う地域防犯活動を強力に支援していきます。 子育て 妊娠から青年期までのトータルな子育て支援 公明党 (問) 市では、ヤングケアラーについての支援策を検討するため、市内公立学校に通う子供たちを対象に「実態把握調査」を令和4年度に実施しました。調査結果から、家庭が抱える課題は様々であること、誰にも相談できない子供がいること、子供たちの多くが「ヤングケアラー」という言葉を認知していないことが浮き彫りになりました。支援の方向性について、うかがいます。 (答) ヤングケアラーにいち早く気付き、適切な支援につなげるため、広く市民の皆様への普及啓発により、ヤングケアラーの理解を促進するとともに、支援にあたる教育・福祉等の関係機関の連携強化を図ります。また、ヤングケアラーの精神的・身体的負担を軽減するためのピアサポートやヘルパー派遣の充実など、子供の健やかな育ちを守れるよう、しっかり取り組みます。 子育て 子どもたちが住み続けたくなる横浜 自民党 (問) 市が、令和5年度に子育て世代支援施策検討チームを配置することで、子ども・子育て支援施策の充実が期待されます。市の子ども・子育て支援施策は、子供の視点に立つとともに、家庭や地域社会で子供を見守り育てる総合的な子育て政策を推進する仕組みが必要だと考えますが、いかがですか。 (答) 子供たちは未来を創るかけがえのない存在です。市では、地域全体で子供や家庭を支える社会を目指し、学識経験者や子育て支援者等から成る「子ども・子育て会議」で御意見を伺いながら取組を進めています。こども基本法の趣旨を踏まえ、これまで以上に子供の視点を大切にして、子供が家庭や地域との関わりの中で豊かに育まれるよう、施策を推進していきます。 子育て 幼児教育・保育 公明党 (問) 国では令和5年度に、保育所等の空き定員等を活用した未就園児の定期的な預かり事業をモデル実施していくこととなり、市においても、国の採択を前提に必要な予算が計上されました。このような取組を市内全域に広げ、保護者の孤立を防ぎ、子育て支援につなげるべきと考えますが、いかがですか。 (答) モデル事業に採択された際には、保育所等での未就園児の定期的な預かりや、要支援家庭への適切な支援について、課題と効果を検証していく予定です。モデル事業の検証結果や、これまで保育所等で実施してきた園庭開放などの地域子育て支援の取組などを踏まえ、保育所等を活用した子育て支援の充実について検討していきます。 福祉 小児医療費の無償化 立憲党 (問) 市長の公約の中でも、特に市民の要望が強い小児医療費助成について、所得制限と一部負担金を撤廃する予算案及び条例改正案が提案されました。中期計画では令和5年度内に実施とされていましたが、8月から実施するとのことで、前倒しの努力を高く評価しています。8月から中学3年生までの無償化を実施すると決めた理由について、うかがいます。 (答) できるだけ早く実施したいと考え、システム改修や新たに対象となる方の申請手続などのスケジュールを精査しました。その結果、最も早く始められる8月からの実施としました。また、8月は、毎年実施をしている医療証の一斉更新と同じタイミングとなるため、これまで対象となっていた方も含めて、混乱することなく、確実に制度移行できると考えています。