第2章横浜市における障害福祉の現状 1横浜市の障害福祉のあゆみ 横浜の障害福祉施策には、全国に先駆けて始まった事業や、横浜市独自の取組なども多くあります。こうした施策・事業は、行政だけで進めてきたものではありません。障害のある人たちやその家族、支援者、地域住民と行政が対話を重ね、ともに検討をして、実現してきたという歴史的な流れがあります。 まだ横浜市内に障害のある人を支援する社会資源が乏しかった昭和40年代、障害のある子を育てている保護者たちが、障害のある子の療育・レクリエ−ションや保護者向けの学習会などを行う「地域訓練会」を自分たちで立ち上げていきました。そして、障害のある子たちが成長し、成人した後に通う日中活動の場として、「地域作業所」をつくっていきます。こうした動きに対して、横浜市は、運営費を助成する仕組みをつくり、活動を支えてきました。その後、地域で暮らし続けられる住まいについて、障害のある人たちやその家族、支援者と行政が対話と検討を重ね、「グループホーム」の制度化へつながっていくことになります。 こうした活動の輪が広がっていくにつれて、その活動場所を確保することが難しくなっていきました。そこで、安定的な地域活動の場を設けるため、地域住民も交え、「横浜市障害者地域活動ホーム」(以下「地活ホーム」という。)の建設・運営が始まりました。この地活ホームは、昭和55年に1か所目が建設されてから、平成6年には23か所にまで広まります。 障害のある人たちを支える社会資源が増えてきたことによって、生活の場は自宅だけではなく地域へと広がりを見せるようになります。それに伴って、地活ホームに求められる役割も、地域活動の場だけではなく、障害福祉の拠点といえるようなものが必要とされるようになっていきました。こうした流れを受けて、地活ホームでは、平成7年から、夜間の介助や見守りをする「ショートステイ事業」などの機能を増やした「機能強化型地活ホーム」への転換が、行政との対話の中で進められていくことになります。さらに、地活ホームの自主的な運営を支えてきた横浜市も、平成11年からは行政施策として、機能強化型地活ホームよりも事業・施設の規模を拡大した「社会福祉法人型地活ホーム」の各区1館設置を進めていくことになります。機能強化型地活ホームへの転換と社会福祉法人型地活ホームの設置は、ともに平成25年に完了し、障害のある人たちの地域生活を支える拠点として機能しています。 地域訓練会が立ち上がった頃からこれまでの活動で、障害のある人たちを支える担い手も地域で増えていきました。個人としての活動だけでなく、障害のある人たちの保護者や地域住民が集まって活動をすることも多くありました。そうした活動などをきっかけとして、小規模ながらも障害福祉の専門性が高い社会福祉法人が数多く立ち上げられたことや、こうした法人が地域の活動を支えることで更に地域での障害福祉が活発になってきたことは、横浜市の特徴であり強みとなっています。 この大きな流れは、ここまで触れてきた身体障害児・者や知的障害児・者だけでなく、精神障害者にも同じように広がっていました。精神保健福祉分野では、各区役所に専任で配置された医療ソーシャルワーカーが中心となって家族会を立ち上げるなど、発端は行政が主導的でした。しかし、その後、「横浜市精神障害者地域作業所」(以下「精神障害者地域作業所」という。)やグループホームの設置など、地域で生活するための場づくりに、家族会を含む地域の担い手が行政とともに早い時期から取り組んでいきます。社会復帰の場所として市内初の精神障害者地域作業所が2か所設置されたのは昭和57年、「社会復帰の促進」が法的に位置付けられる5年ほど前のことでした。 地域での活動が活発になるにしたがって、社会福祉法人型地活ホームの設置に向けた動きと同様に、精神障害者の地域での居場所や地域活動の拠点が必要とされるようになります。平成11年には、精神障害者の地域生活を支える拠点として、各区に横浜市精神障害者生活支援センター(以下「生活支援センター」という。)が設置されていくこととなります。平成25年には、各区1館設置が完了し、精神障害者への充実した支援を行ってきています。 こうして、現在、横浜市では、区役所に設置された福祉保健センター、社会福祉法人型地活ホームに設置された基幹相談支援センター、生活支援センターの3機関が一体となり、障害のある人たちの地域生活を支える体制をつくっています。 近年では、国で定める制度や横浜市独自の事業など、障害福祉サービスはかなり充足してきました。しかし、国の事業が充実していく過程で、もともと横浜市が独自に実施してきた事業が利用しづらいものになってしまうことも多々あります。また、福祉や保健などの分野だけでなく医療も含めた視点や、各制度間の連携などもますます重要になってきています。今後は、既存の支援制度の狭間にある人たちをどう支え、見過ごされがちなニーズをどう汲み取っていくかが課題といえます。 そうした人たちの生活を支えるのが行政の役割である一方、横浜市の障害福祉を更に良いものにしていくためには、対話・協働は必要不可欠なものです。 第4期プランの計画期間中も、過去から大切にしてきた「障害のある人たちやその家族、支援者、地域住民と行政とが協力し合って、障害のある人たちが地域で自立した生活を送るための施策をともに考え、一緒に進めていく」という姿勢を貫いていくこと、これまで続けてきた協働の歩みを止めず進めていくことが、行政に求められていると考えています。 2将来にわたるあんしん施策 将来にわたるあんしん施策は、「在宅心身障害者手当」の質的転換策として、平成21年度から進めてきた施策です。 「在宅心身障害者手当」とは、障害のある人への在宅福祉サービスがほとんどなかった昭和48年につくられた制度です。その後、30年以上経過する中で、障害基礎年金の創設やグループホーム、地域作業所、地活ホーム、ホームヘルプなど、在宅福祉サービスが充実してきました。 このような変化のもと、障害のある人やその家族、学識経験者などが参加する横浜市障害者施策推進協議会で在宅心身障害者手当のあり方について話し合いを重ね、ニーズ把握調査などを行いました。その結果、個人に支給する手当を、障害のある人や家族の多くが切実に求めている「親亡き後の生活の安心」、「障害者の高齢化・重度化への対応」、「地域生活のためのきめ細やかな対応」などの必要な施策に転換すべきであると確認されました。 これらの声を受けて、本市では在宅心身障害者手当を廃止して、その財源を活用し、特に重要で緊急と思われる課題認識を示すものとして「将来にわたるあんしん施策」としてとりまとめた施策に転換することとしました。これらの施策は第2期プランに明記し、取り組んできました。続く第3期プランにおいても、その考え方を障害福祉施策全体の基本的視点として捉えて様々な施策展開を図ることによって、障害のある人の地域生活を支えてきました。根底に流れる考え方はとても重要で、普遍的なものだと捉えています。 その上で、本人を中心に据えて考えると、障害のある人もない人と同じで、ご家族が健在なうちから「自らの意思により自分らしく生きる」ことが、障害のある人のご家族にとっての「親亡き後の生活の安心」につながるのではないか、と捉えることもできます。時代の変化に応じ、「将来にわたるあんしん施策」の本質を見失わぬよう、様々な事業に取り組んでいく責務が私たちには課せられています。 トピック「障害」の表記について 「障害」という言葉は、ほかにも、ひらがなを使った「障がい」、当用漢字使用以前の表記である「障碍」という書き方が使われることがあります。こうした書き方は、「害」という字には悪いイメージがある、という考えがもとになっているようです。 障害のある人が社会的に不利になる原因が「障害者個人の身体能力・機能に障害がある」とする考え方は「医学モデル」、「社会の構造、社会的な障壁に問題がある」とする考え方は「社会モデル」と呼ばれています。共生社会の実現に向けて重要な考え方は、「障害者を取り巻く社会の側に物理的・心理的な壁があることにより、日常生活や社会生活を送ることに支障がある」と捉えることです。例えば、車いすを使っている人が段差を上れないときは、「その人に障害があるから」とその人の身体能力に着目するのではなく、「そこにスロープがないから」という社会の側の課題として捉え、考えていこうということです。 横浜市では、第2期プランを策定するときから、このことについて障害のある人たちと議論を重ね、「障害」という書き方に統一してきました。というのも、書き方を変えることで、生活をする上での支障がもう無くなったかのように思われることを心配しているためです。そこで、横浜市では、今後も、これまでと同じように「障害」と表記します。 そして、「障害」の表記とともに、「社会モデル」の考え方を広めることで、社会の障害や障壁を解消できるよう様々な施策を進めていきます。 3各障害手帳等統計の推移 (1)障害者手帳所持者数 横浜市発行の各障害者手帳(身体障害者手帳・愛の手帳(療育手帳)・精神障害者保健福祉手帳)の平成31年度3月末時点での所持者数の合計は、約17万1千人(横浜市全体人口比で4.56パーセント)となっています。 平成26年度は、約15万3千人でしたので、現在までに、約1万8千人増加したということになります(増加率約12.0パーセント)。表1からも年々取得者数が伸びていることが分かります。 また、表2から見られるように、障害者手帳所持者数の増加率については、ここ数年は約2パーセント程度で推移しており、人口増加率よりも大きいことから、障害者手帳を所持する方の割合が増えてきているといえます。今後も高齢化の進展等ともあいまって、障害者手帳所持者数の割合は増えていくことが推測されます。 ここに表があります。 表1横浜市人口と障害者手帳所持者数の比較(各年度の3月末時点。単位はにん。ただし、横浜市人口のみ翌4月1日時点。以下の表も同様です。) 横浜市人口 26年度3712170、 27年度3725042、 28年度3728124、 29年度3731706、 30年度3741317、 31年度3753771 身体障害者 26年度99120、 27年度99199、 28年度99356、 29年度99361、 30年度99515、 31年度99732 知的障害者 26年度25447、 27年度26712、 28年度27958、 29年度29409、 30年度30822、 31年度32281 精神障害者 26年度28285、 27年度30225、 28年度32249、 29年度34578、 30年度36901、 31年度39232 手帳所持者全体 26年度152852、 27年度156136、 28年度159563、 29年度163348、 30年度167238、 31年度171245 横浜市人口における障害者手帳所持者数割合 26年度4.12%、 27年度4.19%、 28年度4.28%、 29年度4.38%、 30年度4.47%、 31年度4.56% 表はこれで終わりです。 ここに表があります。 表2横浜市人口と障害者手帳所持者数の増加数の比較(単位はにん) 横浜市人口増加数と増加率 26から27年度12872(0.35%)、 27から28年度3082(0.08%)、 28から29年度3582(0.10%)、 29から30年度9611(0.26%)、 30から31年度12454(0.33%) 手帳所持者の増加数 26から27年度3284(2.15%)、 27から28年度3427(2.19%)、 28から29年度3785(2.37%)、 29から30年度3890(2.38%)、 30から31年度4007(2.4%) 表はこれで終わりです。 ここに棒グラフがあります。 表1の障害者手帳所持者数を棒グラフにしたものです。 縦軸は人数、横軸は年度です。 表1障害者手帳所持者数(単位はにん) 身体障害者 26年度99120、 27年度99199、 28年度99356、 29年度99361、 30年度99515、 31年度99732 知的障害者 26年度25447、 27年度26712、 28年度27958、 29年度29409、 30年度30822、 31年度32281 精神障害者 26年度28285、 27年度30225、 28年度32249、 29年度34578、 30年度36901、 31年度39232 手帳所持者全体 26年度152852、 27年度156136、 28年度159563、 29年度163348、 30年度167238、 31年度171245 棒グラフはこれで終わりです。 ここに折れ線グラフがあります。 縦軸はパーセンテージ、横軸は年度です。 表2の横浜市人口と障害者手帳所持者数の増加率を折れ線グラフにしたものです。 表2横浜市人口と障害者手帳所持者の増加率の比較 横浜市人口の増加率 26から27年度0.35%、 27から28年度0.08%、 28から29年度0.10%、 29から30年度0.26%、 30から31年度0.33% 手帳所持者の増加数率 26から27年度2.15%、 27から28年度2.19%、 28から29年度2.37%、 29から30年度2.38%、 30から31年度2.4% 折れ線グラフはこれで終わりです。 (2)身体障害 身体障害者手帳の所持者数は、肢体不自由が最も多く、次いで、内部障害となっています。肢体不自由は徐々に減少していますが、それ以外は少しずつ増加しています。 年齢ごとに見ると、「18歳未満」「18歳から65歳未満」の人数がともに減少傾向にありますが、65歳以上の人数は年々増加しており、手帳所持者の約70パーセントが65歳以上となっています。 ここに表があります。 表3身体障害者手帳障害種別推移(単位はにん)注各年度3月末時点 視覚障害 26年度6447、 27年度6397、 28年度6370、 29年度6349、 30年度6397、 31年度6438 聴覚・平衡機能障害 26年度8452、 27年度8585、 28年度8643、 29年度8706、 30年度8842、 31年度8919 音声・言語・そしゃく機能障害 26年度982、 27年度993、 28年度979、 29年度995、 30年度1021、 31年度1031 肢体不自由 26年度52284、 27年度51420、 28年度50669、 29年度49700、 30年度48893、 31年度48233 内部障害 26年度30955、 27年度31804、 28年度32695、 29年度33611、 30年度34362、 31年度35111 合計 26年度99120、 27年度99199、 28年度99356、 29年度99361、 30年度99515、 31年度99732 表はこれで終わりです。 ここに表があります。 表4身体障害者手帳年齢別推移(単位はにん)注各年度3月末時点 18歳未満 26年度2426、 27年度2428、 28年度2397、 29年度2377、 30年度2360、 31年度2353 18歳から65歳未満 26年度28823、 27年度28193、 28年度27903、 29年度27638、 30年度27542、 31年度27555 65歳以上 26年度67871、 27年度68578、 28年度69056、 29年度69346、 30年度69613、 31年度69824 合計 26年度99120、 27年度99199、 28年度99356、 29年度99361、 30年度99515、 31年度99732 全体における65歳以上の割合 26年度68.5%、 27年度69.1%、 28年度69.5%、 29年度69.8%、 30年度70.0%、 31年度70.0% 表はこれで終わりです。 ここに折れ線グラフがあります。 表3の身体障害者手帳障害種別推移を折れ線グラフにしたものです。 縦軸は人数、横軸は年度です。 表3身体障害者手帳障害種別推移(単位はにん) 視覚障害 26年度6447、 27年度6397、 28年度6370、 29年度6349、 30年度6397、 31年度6438 聴覚・平衡機能障害 26年度8452、 27年度8585、 28年度8643、 29年度8706、 30年度8842、 31年度8919 音声・言語・そしゃく機能障害 26年度982、 27年度993、 28年度979、 29年度995、 30年度1021、 31年度1031 肢体不自由 26年度52284、 27年度51420、 28年度50669、 29年度49700、 30年度48893、 31年度48233 内部障害 26年度30955、 27年度31804、 28年度32695、 29年度33611、 30年度34362、 31年度35111 折れ線グラフはこれで終わりです。 ここに棒と折れ線の複合のグラフがあります。 表4の身体障害者手帳年齢別推移をグラフにしたものです。 左の縦軸は人数、右の縦軸はパーセンテージ、横軸は年度です。 棒グラフでは、年齢別の手帳所持者数を示し、折れ線グラフでは全体における65歳の割合を示しています。 表4身体障害者手帳年齢別推移(単位はにん) 18歳未満 26年度2426、 27年度2428、 28年度2397、 29年度2377、 30年度2360、 31年度2353 18歳から65歳未満 26年度28823、 27年度28193、 28年度27903、 29年度27638、 30年度27542、 31年度27555 65歳以上 26年度67871、 27年度68578、 28年度69056、 29年度69346、 30年度69613、 31年度69824 合計 26年度99120、 27年度99199、 28年度99356、 29年度99361、 30年度99515、 31年度99732 全体における65歳以上の割合 26年度68.5%、 27年度69.1%、 28年度69.5%、 29年度69.8%、 30年度70.0%、 31年度70.0% グラフはこれで終わりです。 (3)知的障害 愛の手帳(療育手帳)の所持者数は、5年間で25パーセント以上、7千人近く増えています。中でも、B2の手帳を所持している人の増加数は、全体の増加数の約68パーセントとなっており、多くを占めています。   全体の所持者数における各年齢の所持者数の割合は、この6年間を通して、ほぼ横ばいとなっていて、年齢別に見たとき、統計上の特徴は見られません。 ここに表があります。 表5愛の手帳 障害程度別推移(単位はにん)注各年度3月末時点 A1 26年度4908、 27年度4995、 28年度5087、 29年度5209、 30年度5340、 31年度5498 A2 26年度4799、 27年度4923、 28年度5040、 29年度5140、 30年度5222、 31年度5300 B1 26年度5646、 27年度5843、 28年度6009、 29年度6296、 30年度6556、 31年度6724 B2 26年度10094、 27年度10951、 28年度11822、 29年度12764、 30年度13704、 31年度14759 合計 26年度25447、 27年度26712、 28年度27958、 29年度29409、 30年度30822、 31年度32281 表はこれで終わりです。 ここに表があります。 表6愛の手帳所持者数の年齢別推移(単位はにん)注各年度3月末時点 18歳未満 26年度9,646(37.9%)、 27年度10,141(38.0%)、 28年度10,612(38.0%)、 29年度11,237(38.2%)、 30年度11,809(38.3%)、 31年度12,348(38.3%) 18歳から65歳未満 26年度15,058(59.2%)、 27年度15,746(58.9%)、 28年度16,485(59.0%)、 29年度17,261(58.7%)、 30年度18,033(58.5%)、 31年度18,915(58.6%) 65歳以上 26年度743(2.9%)、 27年度825(3.1%)、 28年度861(3.1%)、 29年度911(3.1%)、 30年度980(3.2%)、 31年度1,018(3.2%) 合計 26年度25,447、 27年度26,712、 28年度27,958、 29年度29,409、 30年度30,822、 31年度32,281 表はこれで終わりです。 ここに棒グラフがあります。 表5愛の手帳障害程度別推移を棒グラフにしたものです。 縦軸は人数、横軸は年度です。 表5愛の手帳 障害程度別推移(単位はにん) A1 26年度4908、 27年度4995、 28年度5087、 29年度5209、 30年度5340、 31年度5498 A2 26年度4799、 27年度4923、 28年度5040、 29年度5140、 30年度5222、 31年度5300 B1 26年度5646、 27年度5843、 28年度6009、 29年度6296、 30年度6556、 31年度6724 B2 26年度10094、 27年度10951、 28年度11822、 29年度12764、 30年度13704、 31年度14759 合計 26年度25447、 27年度26712、 28年度27958、 29年度29409、 30年度30822、 31年度32281 棒グラフはこれで終わりです。 ここに棒グラフがあります。 表6愛の手帳所持者数の年齢別推移を棒グラフにしたものです。 縦軸は人数、横軸は年度です。 表6愛の手帳所持者数の年齢別推移(単位はにん) 18歳未満 26年度9,646、 27年度10,141、 28年度10,612、 29年度11,237、30年度11,809、 31年度12,348 18歳から65歳未満 26年度15,058、 27年度15,746、 28年度16,485、 29年度17,261、 30年度18,033、 31年度18,915 65歳以上 26年度743、 27年度825、 28年度861、 29年度911、 30年度980、 31年度1,018 合計 26年度25,447、 27年度26,712、 28年度27,958、 29年度29,409、 30年度30,822、 31年度32,281 棒グラフはこれで終わりです。 (4)精神障害 精神障害者保健福祉手帳の所持者数は、5年間で1万人以上増えていて、その増加率は約39パーセントです。特に増加しているのは2級で、全体の増加数の約62パーセントとなっています。 年齢ごとに見ると、手帳所持者数は全ての年齢層で増えていますが、増加率としては、特に20歳未満は2倍以上増えています。 なお、精神障害者保健福祉手帳は、長期にわたり日常生活または社会生活への制約がある人を対象とするものです。一方で、医療の観点で捉えた場合、自立支援医療(精神通院医療)の受給者数は、令和元年度で約6万3千人となっています。通院を継続しながら生活を保てている人がいることを踏まえつつ、手帳所持者数だけでは全体像を捉えきれないことを認識しておく必要があります。 ここに表があります。 表7 精神障害者保健福祉手帳等級別推移(単位はにん)注各年度3月末時点 1級 26年度2,994、 27年度3,118、 28年度3,308、 29年度3,457、 30年度3,673、 31年度3809 2級 26年度15,477、 27年度16,623、 28年度17,844、 29年度19,313、 30年度20,731、 31年度22,264 3級 26年度9,814、 27年度10,484、 28年度11,097、 29年度11,808、 30年度12,497、31年度13,159 合計 26年度28,285、 27年度30,225、 28年度32,249、 29年度34,578、 30年度36,901、31年度39,232 表はこれで終わりです。 ここに表があります。 表8精神障害者保健福祉手帳年齢別推移(単位はにん)注各年度3月末時点。注精神障害者保健福祉手帳については、18歳未満での統計を取っていないため、20歳未満としています。 20歳未満 26年度 596(2.1%)、 27年度727(2.4%)、 28年度869(2.7%)、 29年度1,021(3.0%)、 30年度1,150(3.1%)、 31年度1,341(3.4%) 20歳から65歳未満 26年度23,682(83.7%)、 27年度25,126(83.1%)、 28年度26,666(82.7%)、 29年度28,523(82.5%)、 30年度30,428(82.5%)、 31年度32,246(82.2%) 65歳以上 26年度4,007(14.2%)、 27年度4,372(14.5%)、 28年度4,714(14.6%)、 29年度5,034(14.6%)、 30年度5,323(14.4%)、 31年度5,645(14.4%) 合計 26年度28,285、 27年度30,225、 28年度32,249、 29年度34,578、 30年度36,901、 31年度39,232 表はこれで終わりです。 ここに棒グラフがあります。 表7精神障碍者保健福祉手帳等級別推移を棒グラフにしたものです。 縦軸は人数、横軸は年度です。 表7精神障害者保健福祉手帳等級別推移(単位はにん) 1級 26年度2,994、 27年度3,118、 28年度3,308、 29年度3,457、 30年度3,673、 31年度3809 2級 26年度15,477、 27年度16,623、 28年度17,844、 29年度19,313、 30年度20,731、 31年度22,264 3級 26年度9,814、 27年度10,484、 28年度11,097、 29年度11,808、 30年度12,497、 31年度13,159 合計 26年度28,285、 27年度30,225、 28年度32,249、 29年度34,578、 30年度36,901、 31年度39,232 棒グラフはこれで終わりです。 ここに棒と折れ線の複合グラフがあります。 表8精神障害者保健福祉手帳年齢別推移をグラフにしたものです。 棒グラフでは、各年齢別の手帳所持者数を示しています。 折れ線グラフでは、26年度を1とした、20歳未満の手帳所持者数の増加率を示しています。 左の縦軸は人数、右の縦軸は倍率、横軸は年度です。 表8精神障害者保健福祉手帳年齢別推移(単位はにん) 20歳未満 26年度 596、 27年度727、 28年度869、 29年度1,021、 30年度1,150、 31年度1,341 20歳から65歳未満 26年度23,682、 27年度25,126、 28年度26,666、 29年度28,523、 30年度30,428、 31年度32,246 65歳以上 26年度4,007、 27年度4,372、 28年度4,714、 29年度5,034、 30年度5,323、 31年度5,645 合計 26年度28,285、 27年度30,225、 28年度32,249、 29年度34,578、 30年度36,901、 31年度39,232 20歳未満増加率 26年度 1.0倍、 27年度1.2倍、 28年度1.5倍、 29年度1.7倍、 30年度1.9倍、 31年度2.3倍 グラフはこれで終わりです。 (5)発達障害 発達障害独自の障害者手帳は無く、知的障害を伴う場合は愛の手帳、知的障害を伴わない場合は精神保健福祉手帳の交付又はその両方の交付を受けていることがあります。一方で、医師の診断のみを受け、障害者手帳を取得していない人もいることから、障害者手帳所持者数のみで、発達障害児・者の人数を把握することは困難です。 とはいえ、発達障害に関する相談件数や診断件数の推移から推測すると、明らかに増加傾向にあると考えられます。また、発達障害の診断を受けた人だけでなく、本人や家族も発達障害に気付かないまま過ごしている人も少なからずいます。特に、知的障害が軽度である場合や、あるいは知的障害を伴わない場合には、生活に関する困りごとを抱えていても障害福祉分野の相談窓口などにつながっていないことも多いのが現状です。こうした人たちをどう把握し、適切な支援につなげていくかが課題のひとつです。 (6)強度行動障害 対象者数を正確に把握できる統計はありません。行動上著しい困難があるとされる、障害支援区分認定調査の行動関連項目が10点以上の人は、令和元年8月時点で約3千4百人いますが、そのほかに障害福祉サービスを利用していない人もいるため、実際には更に多いと考えられます。 強度行動障害の多くは、障害特性を理解し適切な支援を行うことで、減少し、安定した生活を送ることができるとされています。そのためには、専門的な人材育成や支援体制が必要ですが、施策を検討するために必要な対象者の全体像を把握すること自体が難しいことも課題となっています。 (7)医療的ケア 医療的ケア児・者(日常的に医療的ケアを必要とする人)は、障害者手帳を持っていない人もいるため、統計上、人数が把握できていないのが現状です。 国の調査によれば、平成30年度には日本全国で約1万9千人と推計されています。これは、平成17年度と比較すると、10年程度で約2倍に増えているという計算になります。横浜市では、約1千2百人程度が対象児・者だと推計しています。正確な人数は把握できていませんが、医療技術の進歩などにより、増加傾向にあるのは間違いないと考えています。 (8)難病患者 障害者総合支援法では、障害者の範囲に、難病等を加えました。対象となる難病は、361疾病です(令和元年7月時点)。 このことにより、症状が変わりやすいなどの理由で身体障害者手帳を取得することができず制度の谷間にあった人が、障害福祉サービスを利用できるようになっています。 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は徐々に増えており、障害福祉サービスの推進に当たっては、今後も、難病等患者数も考慮しながら進めていく必要があります。 ここに表があります。 表9特定医療費(指定難病)受給者証所持者数の推移(単位は人)注各年度3月末時点 26年度23469、 27年度24683、 28年度25794、 29年度22573、 30年度23748、 31年度24145 注29年度の受給者証所持者数の減は、法施行後に認定対象外となった患者に対する経過措置が終了したためです。 表はこれで終わりです。 4第3期障害者プランの振り返り 第3期プランは、「自己選択・自己決定のもと、住み慣れた地域で『安心』して『学び』『育ち』暮らしていくことができるまち ヨコハマを目指す」を基本目標としました。また、全体の構成としては、施策を推進する視点で組み立てた第2期プランについて「どこに何が書いてあるか分かりにくい」という声を受け、障害の種別にかかわらず、障害児・者が日常生活を送る上での視点に立った枠組みとして、5つのテーマを設定しました。 テーマ1出会う・つながる・助け合う 振り返り 「障害のある人とない人の相互理解と、日常から災害等の緊急時まで支え合うことができるまち」を目指し、障害者週間を中心とした普及啓発イベントや、防災訓練での出前講座などの実施、基幹相談支援センターの設置などによる相談支援システムの強化、障害者差別解消法の趣旨を踏まえた通知文書の点字化等情報保障の取組などを推進しました。一方で、障害理解の更なる推進や防災対策を求める声のほか、どこに相談に行ったらよいか分からないなどといった声が挙がっています。 課題 生活を支える環境整備の充実 障害に対する周囲の理解や配慮を進めるためには、互いの存在に気付き、身近に感じる仕組みづくりが必要です。また、各相談先については、機能の整理や連携など更なる充実が必要だと考えられます。 テーマ2住む、そして暮らす 振り返り 「自ら住まいの場を選択し、住み慣れた地域で安心して暮らし・生活し続けられるまち」を目指し、親亡き後の暮らしを支える後見的支援制度の全区展開や、行動障害のある人を支えるための支援力向上研修の開催、グループホームの設置のほか、地域生活支援拠点機能の全区での整備などを推進しました。 課題 住まい・暮らしの充実 住み慣れた地域・住みたい地域での暮らしや、グループホームでの暮らし、高齢化・重度化への対応、退院後や施設からの地域移行など、本人の希望や状態等に応じた多様なニーズに応えられるよう、住まい・暮らしに関する支援の充実や環境整備が求められています。 テーマ3毎日を安心して健やかに過ごす 振り返り 「毎日を安心して過ごし、地域の中で健やかに育ち、共に生きていくことができるまち」を目指し、障害特性等を理解し、適切な医療を提供できるよう知的障害者専門外来を5病院で開設し、医療的ケア児・者等の関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置、公共交通機関・学校のバリアフリー化や、障害者差別解消法の趣旨を踏まえた各取組などを推進しました。 課題 安心・安全に暮らせる生活環境の充実 医療受診環境の向上や、障害特性を踏まえた心身の健康対策等をライフステージに応じて推進するため、医療・福祉・教育関係者の連携強化が必要です。また、災害時には、要援護者への必要な配慮が行われるよう環境整備を進めるほか、自助・共助の仕組みの構築や公助の役割を明確化する必要があります。 テーマ4いきる力を学び・育む 振り返り 「乳幼児期から学齢期を通じて、家族や友だち、学校の先生などの大人たちと関わり、語り合い、学び合い、生きる力を身に付けていくことができるまち」を目指し、地域療育センターの初診待機期間短縮に向けた取組の実施や、教育環境の充実のほか、障害福祉人材確保に向けたPR動画の制作・公共交通機関での一斉放映などを行いました。 課題 療育・教育の充実 発達障害児の増加、障害の重度化・多様化を踏まえ、様々なニーズに対応できるよう、地域療育センターを中心とした支援の充実や関係機関の連携、教職員の専門性の向上や教育環境、教育活動の更なる充実が求められています。 課題 障害福祉人材確保への対応 労働人口減少の中、必要な福祉サービスを適切に提供するための人材の確保・育成が分野を超えて求められています。 テーマ5働く・活動する・余暇を楽しむ 振り返り 「一人ひとりの適性や希望に合った仕事を見つけることができ、また、外出や趣味・スポーツを楽しむなど、様々な余暇が充実したまち」を目指し、就労支援センター等を中心とした就労支援の促進・定着支援や、障害者施設と企業のコーディネートを担う横浜市障害者共同受注センターの開設、移動情報センターの全区展開、ラポール上大岡の整備などを行いました。 課題 自分らしく過ごすための環境の充実 社会と関わりながら様々な形で過ごすため、就労支援センターを中心にした、就労支援の促進や工賃の向上などのほか、生活介護事業所の設置など希望や状態に合った日中活動場所の設置促進、障害者スポーツ・文化活動の更なる充実が求められています。 新型コロナウイルス感染症への対応状況 第3期プランの最終年度である令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の流行やその感染拡大防止のため、集合形式で行うもの(会議、研修、イベント等)を中心に、多くの取組で中止、延期、人数や規模の縮小、オンライン等を含む実施方法の変更などの対応を必要とされました。また、障害福祉サービス事業所の活動にも多大な影響を与えています。その対応は第3期プランでは想定されていないものでしたが、衛生物品の提供や保健所との連携による集団検査の実施など、必要な取組を実施してきました。 新型コロナウイルス感染症が第4期プラン計画期間中にどのような影響を与えるか、いまだはっきりしない部分があります。その影響の度合いをそれぞれの取組の中で確認・検証し、必要に応じて柔軟に対応することが求められます。 注本プランに記載されている新型コロナウイルス感染症とは、コビッド19のことを指しています。 第3期プランの事業ごとの振り返りは、市ホームページに公表しています。 https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/fukushi-kaigo/fukushi/plan/3rd_plan.html