政策26 子どもたちの豊かな学びを育むための魅力ある学校づくり ✦政策の目標・方向性 ・児童生徒が安全・安心で、より良い環境のもとに教育を受けられるよう、学校施設の計画的な建替えを推進するとともに、児童生徒急増・減少地域への対応による学校規模の適正化等、豊かな教育環境を整えます。 ・中学校昼食において、各家庭のライフスタイルや日々の都合に合わせて選択できる環境を充実させます。 ・教職員の資質・能力の向上を図り、子どもとしっかりと向き合うことができる環境をつくるため、教職員が学び続けることのできる環境づくりや、働き方改革を推進します。 ✦現状と課題 ・横浜市立学校施設の8割が築後30年を超えている状況の中、平成29年5月に「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」を策定しました。また、市立学校の耐震化率を100%にするなど、子どもたちの安全・安心な教育環境の整備に取り組んできました。 ・中学校昼食においては、栄養バランスのとれた温もりのある昼食を提供するため、平成29年1月より全中学校でハマ弁を選択できる環境を整え、さらに中学校昼食を充実させるため、各家庭がライフスタイルや日々の都合に合わせて「ハマ弁」、「家庭弁当」、「業者弁当」の3つのメニューから等しく選択できる環境整備に着手しました。 ・市内北部や臨海部を中心とした開発等による児童生徒数の急増や、少子化による児童生徒数の減少等が生じており、地域の実情に応じた学校規模の適正化が必要となっています。 ・教員の大量退職・大量採用により、経験の浅い教員が増加したことや、いじめ、不登校、子どもの貧困等、学校における課題が複雑化・多様化していること、学習指導要領の改訂等を踏まえ、教職員が学び続けることのできる環境づくりが重要となっています。 ・国の「教員勤務実態調査(平成28年度)」では、月80時間の時間外勤務相当の教員が小学校で約34%、中学校で約58%という結果でした。長時間労働を解消し、学校を持続可能な環境に変え、教職員が健康でいきいきとした姿で子どもと向き合うことができるよう、教職員の働き方改革を推進することが急務です。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 学校施設の建替え - 工事着手6校 教育委員会事務局 2 ハマ弁(横浜型配達弁当)の喫食率 1.3%(30年3月) 20%(32年度) 教育委員会事務局 3 「学校の授業は分かりやすい」と 答えた児童生徒の割合 小:76% 中:64% (29年度) 小:80% 中:70% 教育委員会事務局 4 時間外勤務月80時間超の教職員の割合 - 0% 教育委員会事務局 ✦主な施策(事業) 1 計画的な学校施設の建替え 所管 教育委員会事務局 「横浜市立小・中学校施設の建替えに関する基本方針」に基づき、各対象校の建替えが最善の形で進められるよう、建替えの実施に必要な基本構想や設計を進め、工事に着手します。 想定 事業量 建替えの事業推進 【直近の現状値】29年度:基本構想策定3校 計画上の 見込額 94億円 2 児童生徒急増・減少地域への対応 所管 教育委員会事務局 児童生徒の急増地域や減少地域において、子どもが適切な環境で学校生活を送れるよう、地域の実情に応じた通学区域の見直しや学校の新設・統合等による学校規模の適正化を進めます。 想定 事業量 児童生徒急増地域での校舎の増築や学校の分離新設 【直近の現状値】29年度:- 計画上の 見込額 166億円 3 家庭のライフスタイルに合わせた中学校昼食の充実 所管 教育委員会事務局 中学校昼食において、ライフスタイルに合わせて選べる選択制の充実に向けて、ハマ弁(横浜型配達弁当)をより選択しやすい環境を整えるため、価格の引下げや利便性の向上に向けた取組を実施します。また、昼食の用意が困難な生徒への支援を引き続き実施します。 想定 事業量 ハマ弁がより使いやすくなるような取組の推進 【直近の現状値】29年度:ハマ弁デー等によるPRの拡大やスマホアプリの開発等による利便性の向上 計画上の 見込額 43億円 4 より良い教育環境の整備 所管 教育委員会事務局 児童生徒の安全・安心の確保を最優先で進めるとともに、より良い学習環境を実現するため、特別教室(図書室、理科室、美術室(図工室)、調理室(家庭科室))への空調設備の設置に取り組みます。 想定 事業量 特別教室への空調設備設置 全校(31年度) 【直近の現状値】29年度:286校(累計)  計画上の 見込額 58億円 5 教員の確保・育成 所管 教育委員会事務局 実践力や専門性を備えた教員の確保や効果的な教員の育成を行うとともに、教職員の学び続ける環境づくりを推進します。また、新たな教育センターの実現に向けた検討を行い、施設の確保を目指します。 想定 事業量 ①海外研修派遣 延べ160人(4か年) ②企業等研修派遣 延べ3,200人(4か年) 【直近の現状値】29年度:①48人/年 ②791人/年 計画上の 見込額 3億円 6 【新規】教職員の働き方改革 所管 教育委員会事務局 「横浜市立学校教職員の働き方改革プラン」に基づき、学校の業務改善支援、専門スタッフ等の配置、学校業務の適正化、精査・精選等を進めることにより、教職員が働きがいを感じながら、心身ともに健康でいきいきと働くことができる環境を整備し、子どもの豊かな学びや成長を支えます。 想定 事業量 ①職員室業務アシスタントの配置 全校 ②総合学校支援システムの構築  【直近の現状値】29年度:①30校(累計) ②検討 計画上の 見込額 40億円 政策27 女性が働きやすく、活躍できるまち ✦政策の目標・方向性 ・女性がライフスタイルや希望に合わせてキャリアを形成できるよう、就労に向けた支援やリーダーシップ発揮のためのプログラムを充実させるとともに、市内経済団体との連携を強化し、市内企業における女性活躍をさらに推進します。また、女性起業家に対しては成長段階に応じた支援を、学生に対してはライフイベントを意識したキャリア形成支援を行います。 ・男女が共にワーク・ライフ・バランスを実現できるよう、多様で柔軟な働き方の推進に向けた企業への支援や、男性が家事・育児・介護等をより積極的に担うための啓発等を進め、日本一女性が働きやすい働きがいのある都市の実現を目指します。 ✦現状と課題 ・横浜女性ネットワーク会議を毎年開催し、働く女性の学びと交流の場を創出しています。 ・女性の就労支援や起業支援、職場のワーク・ライフ・バランスの推進など幅広い女性の活躍支援に取り組み、平成27年までの5年間で、30代後半女性の労働力率は6.6ポイント上昇し、M字カーブは改善しており、市内企業における女性管理職の割合も増加傾向にあります。 ・女性活躍のさらなる推進に向け、安心して働き続けられる体制や女性がキャリアアップできる環境整備、女性自身のリーダーシップ開発や起業家育成のための支援が期待されています。 ・家事・育児・介護等に費やす時間はいまだ女性に偏っています。また、男女とも通勤時間が長い人の割合は高い状況です。女性が出産等に際しても働き続けることや家族で子どもの成長を支えるためにも、男女とも家庭生活と仕事を両立できる環境の整備や職住近接の推進が必要です。 ・男性の希望として「仕事と家庭・地域・個人の生活」を両立したい割合が高く、男性中心型労働慣行の見直しや多様で柔軟な働き方の創出などに向けた、企業への支援が求められています。 新しいライフスタイルを企業と提案!「ヨコハマみらいスタイルラボ」  誰もがライフもワークも充実できる暮らし方を目指し、企業との共創によ る「ヨコハマみらいスタイルラボ」を開催しています。   このイベントでは、家族間のコミュニケーションのきっかけづくりや、簡 単な朝食づくりといった、すぐに実践できるアイデアを盛り込むなど、男性 の家事・育児参画に対する抵抗感を払拭し、具体的な行動を喚起するための 取組を進めています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 市内事業所の管理職(課長級以上)に占める女性の割合 15.1%(29年度) 30% 政策局 2 男性と女性の家事・育児・介護時間の割合(共働き家庭)※ 1対5(30年5月) 1対1.5 政策局 ※共働き家庭において、仕事や学校のある日に、家事・育児・介護にあてる時間の割合 ✦主な施策(事業) 1 女性リーダーの育成やキャリア形成支援 所管 政策局、経済局 学びと交流のためのイベント「横浜女性ネットワーク会議」など、多様な交流の場をつくります。併せて、働く女性に対するリーダーシップ開発や役員養成の機会を充実させるとともに、参加者間のネットワーク化を進めます。 また、「よこはまグッドバランス賞」認定企業と学生等が交流する機会をつくり、ライフイベントを意識した働き方やワーク・ライフ・バランスの重要性について考えるきっかけを提供することで学生等のライフキャリア形成を支援します。 想定 事業量 ①女性のネットワークづくりやリーダーシップ開発のためのセミナー等 24回(4か年) ②よこはまグッドバランス賞認定企業と大学生等との交流会 40回(4か年) 【直近の現状値】29年度:①7回/年 ②10回/年 計画上の 見込額 1億円 2 女性の就労支援 所管 経済局、政策局 求職者の就労支援のため市民向け総合案内窓口を運営するとともに、個別相談やキャリアブランクのある女性や若年者を対象としたインターンシッププログラムなど求職者個々の必要性に応じた就労支援を推進します。 また、男女共同参画センター3館に設置している、女性の再就職、転職等の総合相談窓口「女性としごと 応援デスク」においてキャリアプランに関する相談や、就業情報の提供を行います。 想定 事業量 ①横浜市就職サポートセンターにおける女性の就労相談件数 3,200件(4か年) ②女性としごと 応援デスクにおける就労相談件数 7,600件(4か年) 【直近の現状値】29年度:①833件/年 ②1,974件/年 計画上の 見込額 2億円 3 女性の起業と起業後の成長支援 所管 経済局、政策局 起業準備段階から利用できる相談窓口の設置やスタートアップオフィス「F-SUSよこはま」の運営のほか、新たなビジネスチャンスの創出に向け市内百貨店等と連携した女性起業家の商品販売・事業PRを実施します。創業から成長までのステージに応じた充実した支援策の実施により、女性の起業を促進します。また、女性起業家の情報発信の場「横浜ウーマンビジネスフェスタ」を開催します。 想定 事業量 起業・経営相談件数 4,360件(4か年)  【直近の現状値】29年度:1,162件/年 計画上の 見込額 1億円 4 「働き方改革」、「多様で柔軟な働き方」の推進 所管 政策局、経済局 男女が共に働きやすい職場づくりに取り組む事業所を認定する「よこはまグッドバランス賞」を充実させ、市内企業における女性の活躍やワーク・ライフ・バランスを一層推進します。 また、女性活躍推進に向けて取り組もうとする企業等に向けてのセミナーの開催や専門家の派遣等により、働き方改革や多様で柔軟な働き方の推進に向けた取組を行う企業を支援します。さらに、横浜市女性活躍推進協議会において市内経済団体等と連携した検討・取組を進めます。 想定 事業量 ①よこはまグッドバランス賞認定事業所数 510事業所(4か年) ②柔軟な働き方等の取組に対し支援した企業数 300社(4か年) ③企業を対象としたセミナー等実施数 24回(4か年) 【直近の現状値】29年度:①99事業所/年 ②84社/年 ③6回/年 計画上の 見込額 2億円 5 働きやすく、暮らしやすい社会の実現に向けた広報・啓発の推進 所管 こども青少年局、政策局、区 男性の暮らし方や働き方を変えるきっかけを提供するなど、男女が共に主体的に仕事や家事・育児、地域活動等を両立しながら暮らすことができる社会の実現に向け、身近な地域での父親育児支援講座等の市民向け啓発を実施します。併せて、多世代が子育てに関わるための啓発や将来の子育て世代に向けた情報提供を進めます。 想定 事業量 地域における父親育児支援講座参加者数 5,000人(4か年) 【直近の現状値】29年度:887人/年 計画上の 見込額 0.4億円 政策28 シニアが活躍するまち ✦政策の目標・方向性 ・高齢者がこれまで培った知識や経験等をいかし、ライフスタイルに合わせて、地域の担い手として就労やボランティアなど様々な場面で社会参加することにより、活躍できる、活力ある社会を目指します。 ・就労を望む高齢者に向け、就業機会の提供や情報提供の強化、起業に向けた支援を進めます。 ・社会参加することで、いきいきと意欲を持って生活することができ、介護予防・健康づくりにつながる仕組みづくりを推進します。 ✦現状と課題 ・内閣府の「高齢者の日常生活に関する意識調査(平成26年度)」では、働けるうちはいつまでも働きたいという回答が最も多くなっています。 ・「よこはまシニアボランティアポイント」は、普及啓発や対象となる活動の拡大を積極的に推進し、活動者数が1万人、受入施設は500か所を超えています。 ・健康寿命が延伸し、人生100年時代が到来する中、都市の活力を高める観点からも、就労やボランティア活動など、シニア世代が元気に活躍し続けられる社会を目指すことが重要です。 ・国や企業においても、年金支給年齢の引上げや定年延長といった動きがある中、働けるうちはいつまでも働きたいといった高齢者の意向を踏まえ、経験やスキルを発揮できる場の提供・起業支援などにより、地域や経済の活性化につなげていくことが必要です。 ・社会の一員として、社会のために役立ちたいという高齢者の意向を踏まえ、蓄積してきた知識や経験をボランティア活動や地域活動といった地域貢献・社会参加につなげる取組が求められています。 ・地域の中で介護予防や健康づくりに取り組むことができ、自分らしく健康で生きがいのある生活を送ることができる環境づくりが必要です。 ・社会参加などにつながるきっかけとなるよう、生涯にわたり、学ぶことができる機会の提供が必要です。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 よこはまシニアボランティアポイントの活動者数 10,003人/年 (29年度) 15,000人/年 健康福祉局 2 シニアの就職及び起業した人数(延べ数) 7,712人/年 (29年度) 32,000人 (4か年) 経済局 ✦主な施策(事業) 1 地域貢献・社会参加支援 所管 健康福祉局 ライフスタイルに合わせた高齢者の活躍の場を創出する、「生きがい就労支援スポット」で就労先やボランティア活動先等のさらなる開拓を進めるとともに、地域とのネットワーク構築や連携強化を図るなど、地域での担い手不足の解消や地域課題の解決につなげる取組を推進します。 想定 事業量 ①就労・ボランティア活動等のマッチング数 1,050件(4か年) ②生きがい就労支援スポットの整備 3か所(累計) 【直近の現状値】29年度:①58件/年  ②2か所(累計) 計画上の 見込額 14億円 2 ボランティアを通じた社会参加・生きがいづくり支援 所管 健康福祉局 高齢者の社会参加・生きがいづくりを促進するため、「よこはまシニアボランティアポイント」の活動者拡大に向けた取組の検討や、ポイント対象事業のさらなる拡大などを実施し、積極的な活動参加を支援します。 想定 事業量 よこはまシニアボランティアポイントの受入施設数 692か所 【直近の現状値】29年度:523か所 計画上の 見込額 4億円 3 就業機会の提供 所管 経済局 就労を望むシニアに向けて就職に関するセミナー等を開催します。また、働きやすく・働き続けられる環境を推進するため、企業における健康経営や多様で柔軟な働き方に向けた取組を支援します。 想定 事業量 シニアを対象とした就職に関するセミナー等開催数 52回(4か年) 【直近の現状値】29年度:10回/年 計画上の 見込額 6億円 4 経験やスキルを発揮できる起業支援 所管 経済局 起業を目指すシニアを対象としたセミナー等を開催し、これまで培ってきた専門的知識やスキルをいかした起業を支援します。 想定 事業量 シニアを対象とした起業に関するセミナー等開催数 16回(4か年) 【直近の現状値】29年度:4回/年 計画上の 見込額 8億円 5 介護予防・健康づくり♢ 所管 健康福祉局、区 「元気づくりステーション」等の活動の拡大や、介護予防を推進する人材の発掘・育成・支援に取り組み、地域で介護予防や健康づくりに取り組む環境を整えます。また健康づくりと介護予防が連動した全世代型の取組を進めます。 想定 事業量 元気づくりステーション活動グループ数 400グループ 【直近の現状値】29年度:280グループ 計画上の 見込額 6億円 ◇p.63の政策16主な施策(事業)1に前掲 6 継続的に取り組める健康づくりの推進♢ 所管 健康福祉局、道路局 環境創造局、区 日常生活の中で楽しみながら継続的に取り組める仕組みにより、広い世代へ働きかけ、健康行動の習慣化や定着化を図り、介護予防へとつながるよう切れ目のない健康づくりを推進します。また、健康みちづくり(歩行空間等の整備)や健康づくり公園(健康器具や使い方看板等を設置)などによる健康づくりの場の創出に取り組みます。 想定 事業量 よこはまウォーキングポイント新規参加登録者数 15,000人/年 【直近の現状値】29年度:300,306人(累計) 計画上の 見込額 23億円 ◇p.61の政策15主な施策(事業)2に前掲 7 大学の教育資源をいかした学びの機会の提供 所管 政策局 広範な学問分野を擁する横浜市立大学での学習や研究等を通じて、社会参加などにつながるきっかけになるとともに、生涯にわたって学び続ける意義を感じられるような講座で構成されるプログラムを構築することで、主に高齢者の方々の学び直しを支援します。 想定 事業量 履修証明制度等を活用した独自プログラムの構築・推進 【直近の現状値】29年度:- 計画上の 見込額 0.4億円 政策29 子ども・若者を社会全体で育むまち ✦政策の目標・方向性 ・全ての子ども・青少年の健全育成に向けて、体験活動の機会や居場所の提供を充実させます。 ・ひきこもり等の困難を抱える若者の自立に向けて、早期発見・早期支援の取組を推進するとともに、本人の状態に応じた段階的支援を行います。 ・子どもたちの健やかな成長を守り、貧困の連鎖を防ぐため、子どもの貧困対策を推進します。 ・将来の自立に向けた基盤づくりや地域における居場所づくりを推進するとともに、児童養護施設等退所後児童やひとり親家庭など、特に困難を抱えやすい状況にある子どもたちへの支援を強化し、自立に向けて支えます。 ✦現状と課題 ・ひきこもり等の困難を抱える若者の自立に向けて、若者をより身近な地域で支援につなげていくため、地域ユースプラザの職員を全区役所に定期的に派遣し、専門相談窓口を設置しました。 ・子どもの貧困対策については、平成28年3月に「横浜市子どもの貧困対策に関する計画」を策定し、教育、福祉、子育て支援など様々な分野が連携して取組を推進しています。 ・困難を抱える子どもや家庭に気づき、地域の中で見守る「子ども食堂」など、地域が主体となった居場所づくりの機運が高まっています。 ・地域のつながりの希薄化や情報化社会の進展などにより、子ども・青少年が多様な人との交流や多くの体験活動を通して、自己肯定感を育み、成長することが難しくなっています。 ・ひきこもり状態にある若者が増加傾向にある中、困難を抱える若者を早期に発見し、適切な支援につなぐ取組や、困難を抱えないようにする取組が求められています。 ・貧困の世代間連鎖を断つため、子ども自身に直接届く生活や学習の支援の充実が必要です。 ・生活と子育て、生計を一人の保護者が担うひとり親家庭や、家庭の支えを得られにくい児童養護施設等退所後の児童は、特に困難を抱えやすい状況にあるため、孤立を防ぎ、自立につなぐための総合的な支援が必要です。 寄り添い型生活支援事業(瀬谷区) 様々な課題がある家庭の小・中学生等がいきいきと自立した生活を送れるよう、食事や歯磨き等の生活スキルの習得や、宿題や復習を行う習慣を身に付ける寄り添い型生活支援事業を他区に先駆けて取り組んできました。また、生活リズムの改善や健全育成を目指し、夏休みに生活体験合宿を実施しています。 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 若者自立支援機関における自立に 向けて改善がみられた人数 1,166人/年 (29年度) 1,780人/年 こども青少年局 2 生活保護受給世帯の子どもの高等 学校等進学率 94.8% (29年度中学卒業生) 99% (33年度中学卒業生) 健康福祉局 3 寄り添い型生活支援事業の利用により 生活習慣に改善がみられた子どもの人数 130人/年 (29年度) 950人 (4か年) こども青少年局 4 支援により就労に至ったひとり親の数 471人/年 (29年度) 1,900人 (4か年) こども青少年局 健康福祉局 ✦主な施策(事業) 1 子ども・青少年の健全育成に向けた支援 所管 こども青少年局、区 全ての子ども・青少年が、自然・科学・文化・社会体験や人との交流を通じて、自身の能力を育み、可能性を広げることができるよう、青少年関連施設、野外活動センター、プレイパーク等における体験活動の拡充を図ります。 また、青少年の地域活動拠点等における居場所の拡充及び社会参加プログラムの提供、学校・区役所・地域等との連携づくりの充実により、社会参画に向かう力を育みます。 想定 事業量 ①施設・事業利用者及び体験活動等参加者数 585,440人/年 ②青少年の地域活動拠点の利用者数 84,700人/年 【直近の現状値】29年度:①581,846人/年 ②41,469人/年 計画上の 見込額 11億円 2 困難を抱える若者への支援 所管 こども青少年局、区 青少年相談センターや地域ユースプラザ、若者サポートステーション、よこはま型若者自立塾において、無業やひきこもりなど困難を抱える若者の自立に向けた個別相談や居場所の提供、社会体験、就労訓練の実施等、本人の状態に応じた段階的支援に取り組みます。また、困難を抱える若者を早期に自立支援機関等の支援につなげるために、身近な地域に出向いた相談等を推進します。 想定 事業量 ①若者自立支援機関等の利用者数 4,500人/年 ②身近な地域に出向いた相談等の実施 600回/年 【直近の現状値】29年度:①4,115人/年 ②402回/年 計画上の 見込額 14億円 3 子どもの将来の自立に向けた基盤づくりのための生活・学習支援 所管 こども青少年局、健康福祉局、教育委員会事務局、区 家庭の経済状況等にかかわらず、子どもたちの育ちや成長を守るとともに、貧困の連鎖を防止するため、子どもに直接届く、寄り添い型生活・学習支援や、ひとり親家庭児童の生活・学習支援を充実させます。また、家庭での学習が困難な中学生に対する放課後の学習支援の場を拡充します。 想定 事業量 ①寄り添い型生活支援事業 22か所(累計) ②寄り添い型学習支援事業 受入枠1,200人分(累計) 【直近の現状値】29年度:①9か所(累計) ②810人分(累計) 計画上の 見込額 16億円 4 地域における子どもの居場所づくりに対する支援 所管 こども青少年局、区 いわゆる「子ども食堂」等の地域の取組が、子どもにとって安心できる居場所となり、困難を抱える子どもへの気づきや見守り等ができるよう、身近な地域における居場所づくりを支援します。 想定 事業量 子どもの居場所づくりへの支援により立ち上がった地域の取組数 60件(4か年)※ 【直近の現状値】29年度:8件/年(モデル2区) 計画上の 見込額 1億円 ※p.59の政策14の主な施策(事業)4の想定事業量②と同じ 5 児童養護施設等を退所した子どもへのアフターケア 所管 こども青少年局 児童養護施設等を退所した児童が、安心・安定して自立した生活を継続して送ることができるよう、就労や進学をはじめ、生活全般にわたる情報提供や相談、支援等を行います。 想定 事業量 ①支援拠点の数 2か所(累計) ②退所後児童に対する継続支援計画の作成件数 50件/年 【直近の現状値】29年度:①1か所(累計) ②-  計画上の 見込額 2億円 6 生活基盤を整える環境づくりのためのひとり親家庭の自立支援 所管 こども青少年局、 健康福祉局、区 ひとり親家庭の自立を支援し、生活の安定と向上を図り、児童の健全な生活を確保するため、個々の家庭の状況に応じた子育て・生活支援や就業支援、子どもへのサポートなど、総合的な自立支援を行います。 想定 事業量 ひとり親家庭等自立支援事業の利用者数 6,000人/年 【直近の現状値】29年度:5,863人/年 計画上の 見込額 21億円 政策30 児童虐待・DV被害の防止と社会的養護体制の充実 ✦政策の目標・方向性 ・子どもの命と権利を守るため、虐待死の根絶を目指し、児童虐待の発生防止に向けた取組を一層強化します。併せて、迅速・的確な対応に向けた児童相談所等の機能強化や職員の専門性の向上、地域や関係機関との連携を進め、児童虐待対策を総合的に推進します。 ・様々な理由により家庭で暮らすことのできない児童が、里親などの家庭的な環境で生活できるよう、社会的養護体制の充実に取り組みます。 ・重大な人権侵害であるDVの防止に向け、広報啓発等を行うとともに、被害者の相談から保護、自立までの切れ目のない支援に取り組みます。 ✦現状と課題 ・「横浜市子供を虐待から守る条例」を平成26年6月に制定し、総合的な児童虐待対策を推進するとともに、区役所における虐待対応調整チームの設置や児童相談所と区役所の連携強化、関係機関との相互の連携による地域ネットワークづくりなど機能強化に取り組んできました。 ・家庭での養育が困難な児童の増加に対応するため、新たな児童養護施設「横浜中里学園」を整備し、平成29年4月に開所しました。 ・児童虐待相談対応件数※が増加しており、児童虐待防止に向けた取組のさらなる強化や発生時の迅速・的確な対応の重要性が高まっています。 ・平成28年の児童福祉法等の改正により、児童虐待対策等における地方公共団体の役割・責務が明確化され、市民に身近な区役所における相談・支援の強化を図る、子ども家庭総合支援拠点機能の検討が求められています。 ・家庭的養育環境の充実に向けて、子どもを受け入れる里親の確保や受入れ後の里親支援、施設の専門性等の強化が必要です。 ・DVや性暴力等の被害は年々増加傾向にあり、DV等の防止に向けた広報・啓発とともに、相談体制の充実や専門的な相談・支援、関係機関等との連携による、DV被害を受けた方の自立に向けた支援の充実が必要です。 ※児童虐待相談対応件数:区役所と児童相談所が児童虐待(疑いを含む)に係る通告・相談に対し、調査等の対応をした件数 ✦指標 指標 直近の現状値 目標値 (33年度末) 所管 1 虐待死の根絶 1人/年(29年度) 0人/年 こども青少年局 2 里親等※への新規委託児童数 28人/年(29年度) 125人(4か年) こども青少年局 ※里親及びファミリーホーム ✦主な施策(事業) 1 児童虐待防止に向けた取組 所管 こども青少年局、 教育委員会事務局、区 学校や保育所、医療機関や民生委員・児童委員等地域の関係機関との連携の促進を図り、子どもを守る地域ネットワークを活用した要保護児童等の在宅支援を充実させます。さらに、支援を行う職員の人材育成、児童虐待防止に関する広報・啓発等を実施します。 想定 事業量 ①個別ケース検討会議の開催回数 1,700回/年 ②区役所・児童相談所における児童虐待相談対応件数 7,600件/年 ③人材育成に関する取組(法定研修修了者の人数) 206人(累計) 【直近の現状値】29年度:①1,629回/年 ②6,796件/年 ③50人(累計) 計画上の 見込額 23億円 2 【新規】区役所、児童相談所の機能強化 所管 こども青少年局、区 児童福祉法等の改正を踏まえ、児童虐待への迅速・的確な対応がより適切に行えるよう、区役所及び児童相談所の機能強化を図ります。 施設の狭あい・老朽化などの課題を解消するための児童相談所・一時保護所の再整備や、専門的支援の充実に取り組みます。また、支援が必要な子どもとその家庭の相談支援を行う、子ども家庭総合支援拠点機能を検討するとともに、支援策の充実を図ります。 想定 事業量 ①児童相談所の再整備等 ②子ども家庭総合支援拠点機能の検討   【直近の現状値】29年度:①検討 ②- 計画上の 見込額 35億円 3 一貫した社会的養護体制の充実 所管 こども青少年局、区 子育てにおいて支援が必要な家庭に対し、地域で安定した生活ができるよう、相談支援や短期預かり等を一体的に行う「横浜型児童家庭支援センター」や、区福祉保健センター、児童相談所が連携して取り組みます。また、社会的養護を必要とする児童が、より家庭的な環境で暮らすことができるよう、里親家庭や施設等の養育環境の充実及び支援体制の強化を進めます。 想定 事業量 ①横浜型児童家庭支援センターの設置 全区(31年度) ②里親の制度説明会の実施回数 24回(4か年) 【直近の現状値】29年度:①11か所(累計) ②6回/年  計画上の 見込額 24億円 4 DVの防止、DV被害者の自立に向けた支援 所管 こども青少年局、 政策局、区 「横浜市DV相談支援センター」や関係機関との連携によるDV被害者支援、外国籍の女性・子どもへの対応、加害者対応に取り組みます。また、相談窓口を周知するとともに、若い世代も含め、人権侵害であるDVへの正しい理解を促進するための広報・啓発活動等を推進します。  DVからの緊急避難が必要な女性を保護する緊急一時保護(シェルター)等の受入体制の確保、母子生活支援施設等、関係機関との連携による自立支援を図ります。また、地域で生活している被害者を総合的に支援します。 想定 事業量 DVに関する相談件数 5,300件/年 【直近の現状値】29年度:5,096件/年 計画上の 見込額 9億円